健康を維持し体を守ってくれる「免疫」には、2つの種類があることをご存知ですか？
１つは生まれた時から備わっている「自然免疫」、そしてもう1つが後天的に身につく「獲得免疫」です。
自然免疫は、あらゆる生き物が持つ基本的な生体防御システムで、病原体など体に異物が侵入した時、いち早く反応し排除する働きをしています。幅広い異物に素早く対応するのが特徴で、たとえば風邪をひいたときに薬を飲まなくても治るなどの、自然治癒力が発揮されるのは、自然免疫が働いているためです。
一方、獲得免疫は、自然免疫だけでは病原体を排除できない場合に、自然免疫から伝達される情報を元に、病原体を効率的に排除する役割を担っています。一度かかった病気にかかりにくくなったり、もう一度かかったりしたとしても治りが早くなるのは、獲得免疫の働きによるものです。ワクチンは、この仕組みを利用しています。
私たちが健康でいる為に「自然免疫」と「獲得免疫」のどちらも欠かせない働きを担っていますが、病気にかかる以前に健康を守るという予防医学の観点からは「自然免疫」が重要な役割を果たしています。

「自然免疫」において中心的な役割を果たすのが、免疫細胞「マクロファージ」です。
マクロファージは、全身のあらゆるところに存在し、日々体内に侵入した病原菌や死んだ細胞など、不要なものを食べるように処理し、健康を守ってくれています。
頼もしい健康の番人である「マクロファージ」ですが、その働きを弱めてしまうものがあります。それが、万病の元ともいわれるストレス。心身にストレスを受けると、マクロファージの働きは鈍化し、異物が体内に侵入してもなかなか反応できず、病原体に感染しやすくなってしまうのです。

マクロファージの働きを高める効果があるとして、注目を集めているのがLPSです。
LPSとはもともと自然豊かな土壌や草木などに存在する菌の一部で、口から入っても皮膚に塗っても安全であると確認されている物質です。LPSが体内に入り、免疫細胞であるマクロファージと結合すると、マクロファージの働きは適切に活性化され、自然免疫を高めてくれることが分かっています。
具体的には、マクロファージの表面にある多くのレセプター（受容体）のうち、LPSはTLR4と呼ばれる受容体と結合します。すると、マクロファージの細胞核にその情報が伝達され、マクロファージが活性化されます。
ＬＰＳと同様にマクロファージの働きを活性化することが分かっている成分に「乳酸菌」がありますが、ＬＰＳは乳酸菌のたった1/1000の量で、1.5倍以上もの効果を発揮することが分かっています。
LPSにより、マクロファージが活性化され元気になることで、自然免疫が高まり、免疫力がアップすることが期待できるのです。